人財育成は目標ではなく手段

森泰造の人を活かすヒント 2016.6.2 

■今日の質問「あなたの会社が人財を育てる理由は何ですか?」 

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こんにちは。みらい創世舎の森泰造です。

 

先日、社会保険労務士の村中幸代先生(美人です!)とコラボレーションセミナーを行いました。私が人財育成の大切さとその先にある成果のお話をし、村中先生に育成に関する費用が国からの助成金でまかなえるお話をしていただきました。

企業研修ってお金がかかりますけど、村中先生によれば、今は資本金5千万円以下の企業なら10万円~70万円も補助が出るんですって。国の後押しがあるのなら利用しない手はありませんよね。

 

私も長く人財育成の仕事をしてきましたが、助成金のことは知りませんでした。ということは、世の中のたくさんの経営者の方もこの事実を知らないのではないかと思うのです。このメルマガをお読みの皆さんの周りにも、「研修をやったほうがいいのはわかるけど、お金かかるしなぁ」なんて思われている方がいらっしゃいましたら、ぜひ助成金の存在を教えていただきたいなと思います。

 

もし、詳しい話が聞きたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ弊社にご連絡ください。村中先生とともにご説明に伺います。研修によって働く人の気持ちが元気になれば、日本の未来にプラスになりますし、経済活性化の力にもなります。私自身も、これからそんなハッピーになれる解決策を提案できるセミナーを、数多く企画していきたいと考えています。

 

ところで人財育成によって働く人が成長し、個人の生産性が向上することは、多くの人が認めるところです。しかし、このことが会社経営に具体的にどれくらいの影響を与えるかをしっかりと理解されている方は、果たしてどれくらいいらっしゃるでしょうか?

 

私がKFCでフランチャイズ企業の担当をしていた時、取引先の事業責任者クラスの方から「人財育成はいいことですけど、金(売上)は生まないですからね」と言われたことがありました。そしてそんな方ほど「本部の研修に出てください」とお誘いしても来てくれず、その大切さをわかってもらう機会がなかなか持てませんでした。

 

そこで、私がその会社の現場の指導者(スーパーバイザー)たちに「問題解決を効率よく、また効果的に行う実践研修」を3か月がかりで施し、各人に仕事の面でこうなりたいというビジョンを描いてもらったところ、状況に変化が訪れました。

 

外食産業、特にチェーン店の現場リーダーたちは、本部と現場の間で、情報処理と現場の対応(苦情など)とに追われています。未来を描く時間を確保することがなかなかできなかった彼らからは、この研修は大変喜ばれました。また、彼らの行動自体も未来を見据えて今を動くスタイルへと大きく様変わりしたのです。

 

行動を単なる“できる”から、しっかりと習慣として定着させるまでに要した期間は約3か月。時間はかかりましたが、着実に結果を出せたことでかの事業責任者の態度も変わり、私が担当から外れる際には「森さん、私が間違っていました」と言葉をかけてくれました。私も、育成することの価値を理解していただき嬉しく思ったものです。

 

話は元に戻しますが、先日のコラボレーションセミナーでは「人財育成を企業が行うべき理由」を、見える化してお伝えしました。KFC時代に私が主導して新入社員の退職率を20%下げたお話しをしたのですが(その具体的な行動についてはこのメルマガでまた改めてお伝えしますね)、その効果は数字にすると一目瞭然です。

 

人の育成には、経済的なコストだけでなく時間的なコストと精神的なコストがかかりますが、当時新入社員の退職率が20%下がった結果、経済的には社内全体で年間約2000万円の節約、時間的には約3000時間の差を生み出すことができたのです(詳細は私のセミナーでお尋ねください)。

 

そして現場リーダーたちの、「どうせ育てても今どきの子はすぐ辞めるし」といった他責の考えによるストレス、離職者分の補充をまたしなければいけないストレスが、企業の役に立つ人財を育てられるという自信や離職者補充のストレス無しに次の目標に向かえるという精神的なプラスアルファへと変わりました。これだけを比較しても、前者の状態と後者とではどちらが競合店に勝てる組織かは一目瞭然ですよね。

 

人財育成は、「企業価値を高め、競合に打ち勝ち、利益を最大化する」という経営の当たり前の目標を達成させるための重要な手段です。人財育成そのものを目的としてしまうと、とりあえず外部研修を呼べばよいとか、営業担当と育成担当では目指しているものが違うとか、わけのわからない論理が社内に横行するようになってしまいます。笑い話のようですが、私はそんな場面にたくさん出くわしてきました。

 

せっかく人間が本質的に欲求として持っている「成長」や「元気になる」ことに取り組むのですから、会社の経営にどのように機能させるのか、みなさんの会社も一度整理されてみてはいかがでしょうか。

 

あなたの会社が人財を育てる理由は何ですか?