高校でリーダーシップの授業を行いました

森泰造の人を活かすヒント 2016.6.27

■今日の質問「あなたは部下やわが子に他人とのかかわり方のトレーニングをしていますか?」 

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こんにちは。あきらめかけている人をあきらめない人にするコーチ・森泰造です。

先日、都内の私立高校から依頼を受けて授業をしてきました。

 

こちらの高校では、定期考査では測れないジェネリックスキル(汎用的能力)の獲得と学びのモチベーション向上を目的として、教師からの一方通行ではなく、生徒間の学びあいをベースにしたアクティブラーニングを展開されています。その一環として私もリーダーシップについてお話しさせていただきました。

 

高校の教室に入るのは、32年ぶりです。教える側が緊張してはいけないのですが、さすがに最初はやや硬くなってしまいました。でも、生徒の顔を見渡せば、「彼らのためにできること」に集中し、あっという間の50分でした。

 

リーダーシップについては、大人ですらきちんと理解していない人がたくさんいます。授業中、高校生たちに話を聞いても、「言葉はよく聞く」「カリスマでないといけない」「人を振り向かせないといけない」という程度の認識でした。

 

「リーダーシップを発揮するとは、目指すべき魅力的な目標を設定し、信頼関係を築き、行動を支援することで、目標実現へ導くこと」

当たり前の定義ですが、これを実行するのはそんなにたやすいことではありません。そこで生徒たちに、この定義の中の要素一つ一つを分解して説明しました。

 

「魅力的な目標とはどんな要素があるのか」

「信頼関係を築くにはどんな行動が必要か」

「行動を支援するにはどんな行動が必要か」

これらを組み立てて、ゴールである「リーダーシップを発揮する」につなげていくと、生徒たちの表情がみるみる生き生きと、あるいは興味深げに変わっていきました。曖昧だったものが、だんだんわかってくるプロセスが面白かったようです。

 

また結果を出すために最も大切なポイントは、相手やメンバーに働きかける前に「自分自身が変わろうとすること」です。「自分自身に働きかけること」を、体験ワークを通して実感していただきました。

 

今回、生徒たちにはクラス班内での関係づくりについて考えてもらいましたが、授業終了後の生徒たちへのアンケートにも、多くの気づきがあったことが書かれていました。そのうちの一人の感想を紹介します。

 

「今までは、他の班と競うことで自分たちのチームワークを上げると思ってきたが、本当に競う相手は未来の自分たちであり、そのために必要なこと、今何ができるかを考えること、行動することを学んだ。(中略)リーダーは人を引っ張るだけでなく、メンバーを信頼し支えることも大切だと学んだ」

 

いかがでしょうか? 素晴らしい理解力ですよね。やっぱり人間関係にかかわることって、どの世代でも大事な問題なのだなあと私は改めて感じました。

 

10代の頃からこのような思考様式を身に付け、友だち、家族、クラブ活動、アルバイトなど、さまざまな場面で主体的に行動することに慣れておくと、人とのかかわり方の引き出しができます。これが社会に出たときにとても役に立つのです。

 

最近の新入社員の評価として、「主体性がない」ことが第1位としてニュースでも報じられています。私も会社員時代、新入社員とたくさん関わったので理解できますが、彼らは人に意見を言われたり、フィードバックを受けたりという、いわゆる「人にもまれた」経験が乏しいので、思っていても行動に移せない人が多いのです。

 

少子化と核家族化、情報過多の環境で、今の子どもは主体性を発揮しなくても楽しめる状態にあります。あえて「人にもまれる」痛みを経験しなくてもいい環境ですが、そうした痛みを乗り越えて喜びを得る経験こそ、ぜひ積み重ねてほしいのです。

 

改めて、日本の教育に「他人とのかかわり方」を取り入れる大切さを感じることができた貴重な経験でした。

こうした活動を広げていく手段がないものか、今後もアンテナを張って活動していきます。

 

あなたは部下やわが子に他人とのかかわり方のトレーニングをしていますか?