「きいちゃん」に学ぶことPART1

森泰造の人を活かすヒント 2016.7.11

■今日の質問「あなたは安全安心の場創りを意識していますか?」 

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こんにちは。みらい創世舎の森泰造です。

 

毎日暑いですね~。夏を私は大好きで、太陽に照らされれば照らされるほど、自分の体に力をいただいている気持ちになります。逆に冷房の効いたところに長くいるのは、体の調子が整えられなくなりますね。

 

今日は一冊の本をご紹介します。山本加津子さんが著した「きいちゃん」(アリス館)です。

小学校高学年から中学生向けの本で、10分もあれば読み終わる量ですが、ぜひ大人の皆さんにも読んでいただきたい、大変示唆に富んだ本です。

 

主人公のきいちゃんは高校生。手足が不自由で、訓練を受けるために家を離れ、寮生活をしながら養護学校に通っています。きいちゃんにはお姉さんがいて、そのお姉さんに「結婚するから式に来て!」と、誘われたところから物語が始まります。

 

きいちゃんは嬉しくて仕方ありません。でも、諸々の事情があったのでしょう。その後、お母さんから当日は来ないようにと言われ、きいちゃんは「生まれてこなければよかった……」と号泣します。

 

その様子を見た養護学校の先生は、きいちゃんにお姉さんへのプレゼントを作ろうと持ち掛け、手染め・手縫いの浴衣を作ることになりました。きいちゃんは先生の指導のもと、不自由な身体で一所懸命作業に励み、ついに完成させて、お姉さんに郵便で送ることができました。

 

その後、お姉さんからどうしても結婚式に来てほしいと言われ、きいちゃんは養護学校の先生と共に披露宴に出席します。その披露宴のお色直しに、お姉さんはきいちゃんが贈った浴衣を着て登場。出席者全員に向かって、浴衣は妹が作ったものであること説明し、「きいちゃんは自分の誇りです」と紹介しました。

 

その後のきいちゃんは、前と違ってとても明るい女の子になり、和裁を自分の一生の仕事として選びました・・・という物語ですが、実際は本を手に取って読んでいただくことをお勧めします。(Amazonの中古本でも安く売ってます)

私は読むたびに目頭が熱く、胸も熱くなってきますね。

 

 

きいちゃんのように、社会的に区別されてしまう人はいますが、誰でもどんなハンディを持っていても、その人の能力は必ず引き出すことができます。そしてその人自身が、これならば成長できると思えるものを発見できれば、そこで自己実現をする術も見つけられるのです。

 

この物語の前提には、心で結ばれた親子、姉妹関係と先生との師弟関係があります。これらは無意識にきいちゃんの心の中で安心の場を創っており、それがあるからこそ、きいちゃんがいろんな自分にチャレンジしようという気持ちが生まれるんですね。

 

この「安全安心の場」を心理学では「セキュアベース(安全基地)」とも言います。

 

赤ちゃんがおもちゃで遊んだり、立とうとしたり、いろんなことにチャレンジしてできることを一つ一つ覚えていくのは、母に見守られ安心している環境があるからです。

 

このセキュアベース、安全安心の環境、これがあると、人間は挑戦心が湧いてきます。逆に、これがないと、不安や恐れを感じるようになり、自分を不安や恐れから守るために攻撃的になったりします。若者が道を踏み外す最も大きな要因は、このセキュアベースが無いことによるものなのです。

 

次回は、ここをさらにみなさんご自身や、部下の育成に当てはめて考えてみましょう。

 

あなたは安全安心の場創りを意識していますか?