部下は上司や経営者をいつも気にしている

■今日の質問「部下に期待していることを伝えていますか?」 

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こんにちは。 

悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす人財育成コーチの森泰造です。

 

この春入社した新入社員の大部分が、職場にかなりなじんできた頃かと思います。

皆さんの職場ではいかがでしょうか?

気がかりな新人はいませんか?

 

私も新入社員育成に携わっていますが、私自身も教えることを通して、彼らからたくさんのパワーをいただいていています。

 

そんな中、私が携わっている会社で、「新入社員が入社1週間でやめたいという話をしている。どうしたものか」という相談がオーナーからありました。 

最初は待遇のことを理由にしていたそうですが、よくよく話を聞いてみると、店の雰囲気がよくないことで入社前のイメージと違ったことが理由のようです。

 

「ここで働くイメージができなくなってきた」と、新入社員は言っています。

 

こんなときは、本人からだけでなく周囲からも情報を聞くことです。 

するといろんなことがわかってきました。 

その中で、新入社員の心を動かしていた原因は、先輩が会社の悪口を言っていたことでした。 

自分はそんな愚痴を言うような社員にはなりたくないと思っていたのです。 

そして、そんな愚痴が日常的に発生するような組織では、成長できないと考えていたのですね。

 

では、なぜ先輩は会社の悪口を言うのか? 

もともと、オーナーと社員の仲は人前ではよさそうに見せているものの、何か不満をくすぶらせているような印象でした。 

私は、オーナーに社員の話を聞いてくださいとお願いし、私も同席することにしました。

面談では「本音を聞く」ことに徹します。

 

全従業員と面談をしてわかったことは、一部の社員が何を目指してどうしたらいいのかわからないと思っていること。 

彼らが、何を目指すべきかわからない、未来が見えない、そしてその話を聞いてくれるところはどこにもないと思って、新入社員の前で愚痴をこぼしてしまっていたようです。

 

面談が終わった後、オーナーは私に言いました。

 

「森さん、私は社員のことを理解しようとしていませんでした。今日、話をして彼らが私の背中を見たくても私が見せていなかったことに気が付きました。もっと彼らの話を聞かないといけませんね。今日話を聞いて、私の方が彼らを避けていたんだと気が付きましたよ。言わなくてもわかっているだろうと勝手に考えていました」と。

 

オーナーは社員の自主性を育てようと、極力口を出さないように心がけていました。 

しかし、それは同時にオーナーが彼らに期待していることを伝える機会を無くしていたことだったのです。

 

オーナー自身が「こうしたい」「こんな会社にしたい、だから協力を頼む」「これが大事なことなんだ」というような言葉や態度を頻繁に発していたら、そして彼らがそれに対してどう思うかの本音を聞けていたら、こんなことにはならなかったでしょう。

 

面談が終了後、オーナーから「本音を話してくれてありがとう」と言われると、社員たちはみんな晴れ晴れとした顔で職場へ戻っていきました。

 

そして、件の新入社員は、面談が終わった先輩たちから一緒に頑張ろうと話をされ、「もう一度頑張ります。迷惑かけました。」とオーナーのところへ言いに来たそうです。

 

上司や経営者の考えを部下は尊重したいと考えています。 

でも、その考えがわからないとき、部下は何を目指してやればいいのか、何が判断基準なのかわからなくなることがあります。

 

しかし、上司や経営者は「一度言っておけばわかっているはずだ」と思って何も言わない。 

すると、そこで部下はストレスを抱え込んでしまうのです。

 

定期的に、部下が今何を考え、仕事をどう思っているのか、そして上司は何を大切にしたいと考えているのか、お互いが理解しあえる場が必要ですね。

 

部下の本音を聞けたそのオーナーは、これから毎月相互の考えを理解するための面談を行うと言ってくれました。

 

これからの変化が私も楽しみです。

 

あなたは、部下に期待していることを伝えていますか?