コーチングで取り戻せた親子の絆

写真提供 写真AC
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■今日の質問「親子関係で悩んだときはありますか?」

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こんにちは。

悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす人財育成コーチの森泰造です。

 

 

5月に、社団法人コーチングカレッジ主催のイベント「セミナーを10倍活用し結果を出す方法」でスピーカーとして登壇してきました。

http://coaching-college.or.jp/seminar/10xer/

 

6人の登壇者の最後に私はお話ししましたが、自分の講座とは勝手が違って、少し緊張しましたね。

今日はその内容をシェアします。

 

今回はビジネスの成果ではなく、実の母親との関係性がコーチングを学び実践することでどう変わったか? についてお話ししました。

コーチングはビジネスだけでなく、本当に自分が大切にしたいことにも活用できることを伝えたかったのです。

 

コーチングを本格的に学ぶ前のことです。

熊本県荒尾市に1人暮らしをしていた母は、その2年ほど前にアルツハイマーと診断されました。

まだ軽度であったので、一人暮らしを続けながら、私は土日を利用して月に1度は様子を見に行くようにしていました。

しかし、母はだんだん記憶できなくなり、お金の管理や人との約束事が守れなくなってきました。

やがて車で事故まで起こしてしまったことをきっかけに、認知症の方々が共同生活をするグループホームを探すことにしたのです。

 

当時私は会社員でしたので、会社に介護休職を申し出て、とりあえず半年間休職しました。

母親の今後の生活設計を相談し、介護認定の手続き、後見人の手続きなどをしながら、母の受け入れ先を探し、その合間に実家の整理整頓をしていました。

 

幸いなことに、母が以前勤めていた老人ホームの施設内にあるグループホームに空きが出て、3か月後には入居することができました。

 

私が休職して実家に戻った頃は、母も施設への入居を「もうこんな状態だから仕方がないね」と言っていました。

しかし、入居して1週間もすると「こんなところでは暮らせない」と言い出します。

 

それまで自由気ままに一人で暮らしてきたのに、共同生活となると制約も多くなります。

加えて、母はアルツハイマーと言っても入所者の中では軽度であったので、自分の未来のイメージに他の入居者の姿を投影してしまい、「こんな風にはなりたくない」という思いを日に日に強く持つようになったのです。

 

私は母がグループホームの生活に慣れるまでは、なんとか嫌な気持ちを緩和してあげたいと思い、週に一度は実家に連れ帰って、一緒に過ごす時間をできるだけ作っていました。

 

ところが、母の感情は段々と悪い方向へ行ってしまいます。

そのうち、息子の私に対して

「お前はこんなひどい仕打ちをするために帰って来たのか!」

「こんなことになるのなら死んだほうがましだ!」

「こんなことをされるためにお前を育てたつもりはない!」

など、私に対し攻撃的な感情をむき出しにしてくるのです。

 

当の私はと言えば、

「大切な母親だと思っているからこそ会社に無理を言って休職し、面倒を見ようと思って、選べる選択肢の中で一番良いと思ったことをしているのに、どうしてこう言われてしまうんだ?」

「自分のやってることは間違いなのか?」

と思い、親孝行したいと思っていた自分だったのに、いったい何をしているんだろうと精神的に追い詰められていました。

 

そして、この先母の面倒を見るのに東京で会社員をやっていては難しいと思い、独立起業する手段を探していました。

そんな状況の時にコーチングと出会ったのです。

 

堀江信宏さんの提唱するコーチングカレッジで大切にしていることは「相手の幸せを願って相手を理解すること」。

 

私は「これしかない」と思い、とにかく学んだことを自分の技術にしたいと思って寸暇を惜しんで実践しました。

コーチングを実践していくと、自らのコミュニケーションの取り方が変わります。

それまで「自分の伝えたいこと」をどうやって伝えるかばかり考えていた私が、「相手が何を大切にしたいのか?」を理解するために、質問や承認を重ねるようになります。

 

すると、あれだけひどい言葉が飛び交っていた母子関係も、大きく変わってきました。

 

あるがままの母の状態を受け入れ、母の心情を理解するよう質問・承認・フィードバックを繰り返しているうちに、感情的だった母が落ち着いてくるようになったのです。

 

私の中でも「母の面倒を見ないといけない」という考えが、「母の事を理解する」「母の時間を共有する」ことを意識するようになりました。

心にも余裕ができてきて、自分が子供のころ感じていた母との時間を取り戻したいという思いが強くなったのです。

 

母子家庭で生活が苦しかったにもかかわらず、いつも笑顔で息子の将来を楽しみにしていた母。

その時のような笑顔を、あと何回作り出せるかにチャレンジしている自分がいます。

 

今も定期的に施設に様子を見に行きますが、とても落ち着いた豊かな時間を二人で過ごせています。

普段は遠くに離れていますが、常に母が自分の事を見守ってくれているようなエネルギーを感じながら、仕事をしています。

 

「しあわせは自分の身近に潜んでいる。

コーチングはそれに気づかせてくれた最高のツール。

この宝を、生涯かけて大切にしたい」

こう思いながら、日々の仕事に情熱を注ぐことができている、現在の自分がいます。

母の介護というギフトが無ければ、今の自分もありませんでした。

 

たまにはゆっくりと、親との関係を振り返ってみるのもいいですね。

 

あなたは親子関係で悩んだときはありますか?