自己理解が深まると動き出したくなる

■今日の質問「あなたの本当に大切にしたいものは何でしょうか?」  

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こんにちは。 

悩めるリーダーにブレイクスルーを引き起こす、人財育成コーチの森泰造です。

今日は先日、セッションを行った女性・Tさんのエピソードをご紹介しましょう。

 

Tさんはお父さんもお母さんも東大卒の家庭で育ち、ご本人も一流大学出身。

新卒で入った会社では、1年目に営業成績でトップを取るという偉業を成し遂げました。

そんな「できる人」・Tさんは、数年後に活躍の場を外資系の会社に移し、仕事にさらに磨きをかけられました。

そしてご結婚され、子育てが落ち着いてから、仕事復帰をされたのです。

 

Tさんは幼い頃からお母さんに、人生を成功させるには、良い大学に入り、稼ぐ力をつけていくことが大切だと教えられてきました。

そしてその思いに従って、一流の大学に入り、一流の会社で社会人デビューし、仕事でも素晴らしい結果を出してこられました。

 

性格も明るく活発で、いろいろなことに興味を持って取り組まれますし、行動も早い。

と、ここまで書くと、何の迷いもない完璧な人生を歩まれている方のように思えます。

 

そんな彼女からの相談は「命を懸けてできるものを見つけたい」という内容でした。

現在は別な仕事をされていますが、本当に使命感をもってできる仕事をお探しだとのことでした。

 

Tさんの過去のお話を聞いていくと、お父さんをはじめとしたご家族、ご親戚の死が彼女の世界観に大きな影響を与えていました。

命は有限で、生まれてきたことには必ず意味があり、命を与えられた自分を大切にしなければならないという考えです。

 

すばらしいですね。

ところが、命を大切にするためにはどんなことをして生きていけばいいのか、迷いを持たれていました。

 

命を助けるような医師のお手伝いはできないか?

命が大切にされていない難民キャンプなどに行って、できることを探した方がいいのではないか?

得意の英語を活かして、世界の命を救う活動の助けをした方がいいのではないか?

など、いろいろな考えが頭の中に渦巻いていたのです。

 

コーチングでは、相手が迷っている時はひたすら情報を探ります。

いろんな話を傾聴していく中でたどり着いたのは、おばあさんが彼女に手本となって見せてくれていた「人の在り方」でした。

 

ご両親ともエリートの家庭で育てられ、エリートになることや稼ぐ力をつけることが仕事での成功と教えられてきていたTさん。

実は、長年そこに違和感を持っておられたようです。

 

Tさんのおばあさんは、苦労して家庭を守られたとても心の広い方でした。

お金や職業などの目に見えるものよりも、自分らしさや人としてのあたたかさを尊重される姿勢や、いつも「大丈夫」と自分に言ってくれる安心感に、Tさんは価値を感じていたんですね。

 

そんなおばあさんが亡くなられた時は、大変なショックだったそうです。

それを契機に「命」について深く考えるようになり、それが自分の大事にするべきものだと思っていらっしゃいました。

 

でもTさんの感情が動くポイントは、実は「命」そのものではなく、おばあさんが日常生活の中で教えておられたことだったのです。

そう、人の心を温めてあげることや、優しく応援してあげることでした。

 

そこで改めて、Tさんが仕事にしたいこととは? と質問をすると、何も日本を飛び出してまで命を救おうとする必要はなかったことが明確になりました。

それよりも、今身近にいる人たちに温かく接し、サポートをしてあげることの方が、よりTさんが大切にしたかったことでした。

 

セッションが終わったとき、Tさんは涙を流しながら、まるで霧が晴れたかのような表情をされていました。

あとは目標設定して、計画を立てていけば前に進めます。

 

人は、自分の本当に大切にしたいこと=価値観が理解できると、言い換えれば、自分が本当に心の底から大切にしたかったことに出会えると、それを実践できる経験を重ねたくなります。

すると自己理解がますます深まり、自己肯定感も高まって自信がみなぎってくるのです。

 

この状態になると、もうあとは「何をするか?」を考えるだけですね。

 

Tさんも、命を懸けても構わないくらいの楽しい目標ができました。

その顔はとても生き生きとされています。

 

あなたの本当に大切にしたいものは何でしょうか?