旅館の凡事徹底に学ぶ

【今日の質問】 

豊かな気持ちにしてくれる体験を

したことはありますか? 

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こんにちは。 

悩めるリーダーにブレイクスルーを起こす、 

人財育成コーチの森泰造です。 

 

今年の夏は、母の喜寿のお祝いを兼ねて

鳥取県の皆生温泉に行ってきました。

 

認知症歴10年の母は、

部屋についていた露天風呂の

温泉の掛け流しを見て、

何度も「お湯がもったいない」と言って

水道の栓を閉めようとしたり、

夜中に部屋のトイレで用をたした後、

自分がどこにいるのか分からなくなって、

トイレの前で眠り込んだり、

いろいろハプニングはありましたが、

そんな母でも十分喜んでくれました。

 

宿泊したのは「海色・湯の宿 松月」さん。

宿泊の3日前には

「お待ちしております」との電話が入り、

当日も、

チェックインの3時間前に到着した我々を、

笑顔で迎えてくれました。

 

ここまではよくあることかもしれません。

 

私が目を見張ったのは、

私たちが通る時の従業員の態度。

全ての従業員が作業中の手を止めて、

私たちの方に体を向け、一礼をし、

「ようこそいらっしゃいました」

と言うのです。

 

それは、仲居さんだけでなく、

庭で作業をしている中年男性も、

留学生であろうと思われる

片言の日本語の従業員も、

例外ではありませんでした。

 

これには、

私だけでなく小学4年生の娘もびっくり。

私たちは思わず、

「ありがとうございます」と、

こちらからも声をかけていました。

 

夜、布団を敷きにきた際も、

従業員の方は三つ指をついて

「ごゆっくりお休みくださいませ」と

深々と丁寧にお辞儀をします。

 

お客の私たちは、

とても大切にされている感覚になりました。

 

この旅館の「礼」の丁寧さと徹底度は、

認知症の母にも

良い影響を与えてくれたようです。

おかげで宿泊中は、

とてもいい表情で過ごしてくれました。

 

「もう一度宿泊したい」と思える宿でした。

 

礼を徹底して丁寧に行う。

宿泊業だと当たり前のことのように

思えますが、

実際にそれを従業員に徹底させるのは、

簡単ではありません。

 

実際、私も

外で宿泊する機会は少なくないのですが、

今回のように

例外なく徹底している施設は初めてでした。

 

礼を嫌味なく、やらされ感もなく、

慌てることもなく、

作業中の手さえ必ず止めて行うには、

行動レベルの教育だけでは困難でしょう。

 

この宿では、従業員への

「あり方」の教育が徹底している、

そしてそれを自覚できる仕組みが

整っていることが、

容易に推測されます。

 

押しつけのサービスではなく、

来た人を自然体で丁寧に受け入れている。

 

従業員の方々は、忙しい時にも

楽しそうに仕事をされています。

その姿から従業員の方が、

自分自身の在り方や感情を

大切にされていることが伝わってきました。

 

この宿のようなサービスを

例外なく徹底できると、

それを経験した人は「価値」を感じます。

 

「価値」を感じる経験が繰り返されると、

そこには安心感や信頼感、

尊敬や感謝といった気持ちが生まれます。

 

脳のプログラムは

インパクト×回数で出来上がりますから、

「この宿は心地よいサービスをしてくれる」

という確信も芽生えます。

 

これが新たな口コミを生むのです。

 

実際に、私も妻もそれぞれ

「素晴らしい宿」とSNSで発信したり、

会う人ごとに話をしたりしてしまいました。

 

口コミで人を呼べる商売の

神髄を体験することができ、

とても豊かな気持ちになれた旅でした。

 

「松月」さんには、また必ず行こうと思います。

 

 

あなたは、豊かな気持ちにしてくれる体験を

したことはありますか?